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1988年6月27日

日韓米世論調査



  朝日新聞と韓国の有力紙、東亜日報が共同で行った世論調査の結果が十六日に公表された
  質問は多項目にわたっており、要約は難しいが、最も顕著な特徴は、「韓国がきらい」と答えた日本人が二一%だったのに対して、「日本がきらい」と答えた韓国人は五一%に達していたことだ。

  この調査と平行して、日韓米三か国の調査も実施されている。米国側はルイス・ハリス社が調査を代行した。
  「産業や貿易面で、韓国は日本や米国の手ごわい競争相手になっていると思いますか」という問いへの回答も特徴的だ。当事者である韓国人は六八%が「それほどではない」と答え、「競争相手になっている」としたのは二四%にとどまっているのに対し、日本人の五五%、米国人の四二%が「競争相手になっている」と考えているのだ。
  韓国製品の浸透が著しい米国の人たちの方が日本人よりいくらか楽観的だということ、日米両国の約半数の国民に「手ごわい競争相手だ」と思われていることを韓国人が意識していないらしいところが興味深い。

  日−韓、米−韓間の関係を尋ねた項目では、日本人の四四%、米国人の四三%が対韓関係を「うまくいっている」と捉えているのに対し、韓国人は対日では二四%、対米では二六%がそう思っているにすぎない。逆に、「うまくいっているとは思わない」韓国人は対日で四八%、対米で五四%に達している。
  日韓間だけをみると、両国がうまくいっているとは思わない四八%の韓国人のうちの一九ポイント、約四〇%が「国民感情の面」がうまくいっていないと思う、と回答している。
  元文部大臣で、現国連大学学長特別顧問の永井道雄氏は、この「国民感情の面」について、「韓国民はもともと、三十六年間の植民地時代に根付いた日本に対する抵抗感が強い。それが…政府要人の思いがけない発言などで、一層強まる。…藤尾、奥野発言の韓国内での影響があったでしょう。<やはり、そう思っていたのか>と受け取る人が多いのは当然です」と分析している。

参考サイト:奥野発言


奥野誠亮氏
(From:http://www.asahi.com/e-demo/suffrage/)

  「韓国の民主化が大いに進むと思いますか」との問いへの回答では、米国人の回答が際立った。「大いに進む」と「多少は進む」とを合わせると、日本は六三%、韓国は六九%になるのに、米国の楽観論は三七%にとどまった。米国人の三分の一、三三%は、廬泰愚大統領が政権に就いても韓国は「変わらない」と答えている。韓国に対する最大の軍事・経済援助国である米国の国民が韓国の民主化について冷ややかな見方をしていることが明らかになったわけだ。
  南北朝鮮の統一については、将来「統一される」とした韓国人は三三%、米国人は三一%、日本人は一五%だった。日本が米国の半分以下だったのは、ごく身近で起こった<よど号事件>や<金賢姫(真由美)大韓航空機爆破事件>などが影響して、悲観的な見方として現れたのだと思われる。

  それぞれに、自分の国が見えたり、見えなかったり−−。相手の国がまた見えたり、見えなかったり−−。

  「日本といえば、何をまず思い浮かべますか」との問いに韓国人は二九%が「三十六年間の思い」と回答している。この数字を多いと見るか少ないと見るかで、見る側の意識が問われる。

  大韓民国、人口四千二百万人、一九八八年の一人当たりの予想国民総生産三千三百ドル、実質経済成長率一二・〇%。

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