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1988年7月11日

国防総省汚職



  国防総省の兵器調達に絡む汚職疑惑について海軍捜査局(NIS)と連邦捜査局(FBI)が秘密合同捜査を開始したのは一九八六年九月だった。
  NISとFBIの捜査で、メルヴィン・ベイズリー海軍次官補(研究・技術システム担当、八七年三月末退職、その後国防コンサルタント)、ジェイムズ・ゲインズ海軍次官補代理(調達管理・国際計画・議会担当)、ヴィクター・コーヘン空軍副次官補(戦術システム担当)の名前が疑惑の中心人物として浮かび上がってきた。


国防総省
(From:http://www2k.biglobe.ne.jp/~t_muto/kaigai/washington/washington.htm)

  FBIは、裁判所の許可を得て、三人のオフィス電話の盗聴を開始し、さらに、国防契約企業としては最大のマクダネル・ダグラス社など十五社の捜査に取り組んだ。

  ベイズリー氏には、ダグラス社の依頼を受けて、競争企業の契約内容に関する情報をゲインズ氏とコーヘン氏から密かに受け取っていた、という疑いがかけられている。
  八一年にベイズリー氏を海軍省に招いたのは、海軍長官に就任したばかりのレーマン氏。この二人はベイズリー氏がボーイング社の幹部だったころからの知り合いだった。
  ABCテレビが先月三十日に報じたところでは、レーマン長官には、八一年十一月に行われた上院軍事委員会でのベイズリー氏の次官補指名承認審議の際にFBIがホワイトハウスに提出した「ボーイング社時代に、贈収賄やその他の腐敗行為につながっていた、という疑惑がベイズリー氏にはある」という報告書を握りつぶし、議会に提出させなかったという疑いがかけられている。
  レーマン長官にはこのほか、FBIの捜査の手がベイズリー氏の身辺に及んできたことを今年初めに同氏に伝えた、という嫌疑もある。

  国防総省調達局は、米国製兵器の対外販売の審査も行う。外国への売り込み競争をつづける航空機メイカー各社の情報がここに集中してくる。
  競争相手の契約条件を事前に知ることができれば有利になる、と考えるのはどのメイカーも同じだろう。だから、国防総省内部で情報集めをしようと、同省元高官などの経歴を持つコンサルタントがそれぞれの企業側に立って“活躍”することになる。
  ベイズリー氏はそうした構造の中で、F16(ジェネラルダイナミック社)の情報をダグラス社に流して多額のカネを受け取っていた、とされている。
  ベイズリー氏に情報を渡したゲインズ氏とコーヘン氏がダグラス社から賄賂を受け取っていなかったと考えるのは難しい。

  職務上知りえた情報を政府高官が自分の利益のために特定企業に売却する、というだけでも十分すぎる犯罪行為だが、この事件の背後には、レーマン前海軍長官のほかに、ダグラス社と関係が深いライアンズ前太平洋艦隊司令官や国防関係の民主党下院議員三人の姿も見えているという。

  この事件は、国防予算に大盤振る舞いを始めたレーガン政権になって起こった。
  最新ハイテク技術を満載したイージス艦がこのような環境の中で建造されたとすると、そのコンピューターが情報処理を誤って、イラン航空の旅客機を撃墜してしまったとしても、格別不思議ではない、という気がする。

参考サイト:イラン航空機撃墜事件


  低下した倫理から高品質の製品は生まれないはずだから。
  
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