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1988年7月18日

デュカキス候補の賭け



  事実上の民主党大統領候補、マイケル・デュカキス・マサチューセッツ州知事が十二日、やっと副大統領指名を終えた。指名されたのはロイド・ベンツェン上院議員(六七)。上院三期目で、財政委員長を務めている。


選挙運動用バッジ
(From:http://www.campaignbuttons-etc.com/dukakis.htm)

  この指名に関する米国内の反応は、どちらかといえば冷静だ。ベンツェン議員が民主党内の最保守派だということもあって、ブームを作り出す雰囲気には遠い。新聞、テレビは、デュカキス知事とベンツェン議員は同じ民主党員ではあるが、両者間の考えの隔たりは大きい、と報じて、むしろ驚きの表情を見せている。

  <ウォールストリート・ジャーナル>紙は十三日、「デュカキスは理想主義より政治的現実主義を選んだ」との見出しを掲げ、改革者のイメージからは遠いもののベンツェン議員は、共和党の大統領候補となるジョージ・ブッシュ副大統領と同じくテキサス州を本拠とすることから、同副大統領の“裏庭”で民主党の助けになる働きを見せるだろうと述べ、同議員が一九七〇年の上院議員選挙でブッシュ候補を破った“実績”を紹介している。
  各種調査では、カリフォルニア、ニューヨークの二大州をほど掌中に収めたとされるデュカキス候補は、ベンツェン議員の地元での人気を頼みにして、全米第三の<選挙人>数を持つテキサス州をブッシュ副大統領から奪い取ろうと考えた、というわけだ。
  一方、ブッシュ陣営は「テキサスがほしいのは大統領であって、副大統領(副大統領候補ベンツェン議員のこと)ではない」とのキャンペインを繰り広げて巻き返しにでるだろう、と言われている。これは、一九六〇年の大統領選で共和党のニクソン候補がケネディー候補に対抗するために、ケネディー候補の地元、マサチューセッツ州出のヘンリー・ロッジ氏を副大統領候補としてぶつけたのと同じ作戦だが、ニクソン候補はその選挙で敗れている。デュカキス候補は当然その“故事”を知ったうえで、“賭け”に出たものと思われる。

  ベンツェン議員は貿易と国内経済に強い政治家として知られているが、デュカキス知事が苦手としている外交・防衛問題では同知事同様に顕著な経験はないといわれている。
  だが、デュカキス知事のベンツェン議員指名がある種の“驚き”をもって迎えられたのはこのためではない。そうではなくて、ベンツェン議員が@レーガン政権の初期予算編成を支持し、大減税策にも賛成したAニカラグアの反政府ゲリラ<コントラ>への援助についてもレーガン大統領と考えを同じくしているBリベラル、改革主義のイメージを政治的背景とするデュカキス知事とは、少なくとも民主党内では、正反対の政治家だからだ。

  十四日夕方のCBSニュースは、デュカキス知事の副大統領候補指名後、二日間にわたって行った、電話によるインタビューに基づく、テキサス州民を対象とした世論調査の結果を報じた。
  これによると、テキサス州では、ベンツェン議員の指名後、デュカキス知事への支持率が四八%へと急上昇、ブッシュ副大統領の四四%をわずかながら上回った。さらに、ベンツェン議員と同副大統領との比較では、五五%対四四%と、ベンツェン議員の人気の高さが目立った。
  また、ブッシュ副大統領には不利なことに、投票傾向を占うえで基礎的資料とされることが多い<否定意見>では「ブッシュ副大統領はだめ」が「ベンツェン議員はだめ」を三三%対二八%で上回ってしまった。

  ここまでのところでは、デュカキス知事の“賭け”は成功に向かっているように見える。だが、全米の有権者は、良くいえば<幅の広い>、悪くいえば<まとまりのない>民主党コンビにどいう判断を下すだろうか。
  十一月の投票日まではまだまだ日がある。
  
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